どらま!ドラマ!DRAMA! 2nd Season

~日本のドラマ・映画、俳優・女優やシナリオライター(脚本家)などを徹底解剖~

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緒形拳さんの生誕した日に『愛はどうだ』(1992年4月17日~6月26日)を回顧してはどうだ

      2015/08/04

7月20日は昨年(2008年)10月5日に亡くなった俳優・緒形拳さんの誕生日です。

緒形拳さんの代表作となると、大河ドラマ『太閤記』(1965年)や映画『復讐するは我にあり』(1979年)、最後のドラマ出演作となった『風のガーデン』(2008年)などだと思うのですが、私の中で一番思い出深い作品は1992年のTBSの金曜ドラマ『愛はどうだ』です。

緒形さんは、妻に先立たれて3人の娘(あやめ24歳くらい、かなえ22歳くらい、さなえ17歳くらいの設定。全話録画したビデオが手元にあれば正確な年齢が分かるのですが)を育てている、家では厳しい父親なのですが、外ではお盛んに仕事の合間や仕事の後に恋愛を楽しんでいるという三崎修一という役柄でした。

基本的にはホームドラマなので和気藹々(わきあいあい)としたコメディ的な雰囲気が全体に流れていたのですが、それはドラマの放送前か放送直後に、番組宣伝のために出演者で出場した、関口宏さん司会の当時のTBSを代表するクイズ番組『クイズ100人に聞きました』でも垣間見ることができました。私の記憶とネットでの情報によると、『愛はどうだ』チームは緒形さん、3人娘の清水美砂(現:美沙)さん、つみきみほさん、渋谷琴乃さん、緒形さんの会社の部下役の羽野晶紀さんの5人。対戦相手は加山雄三さん率いるドラマ『社長になった若大将』チーム。対戦では若大将チームの一方的な勝利で緒形チームは確か0点だったのですが、緒形さんは「ここまではっきり負けると気持ち良いいねぇ」といった感じの発言でその場を和ませていました。

また、清水美砂さんの珍回答も記憶に残っています。「牛肉料理といえば?」というような問題で、全然パネルが開いていない(=まだ少数意見は狙わなくてよい)状態なのに、美砂さんは「ビーフストロガノフ」というマニアックな答えをしたのです。当然不正解で、その場は大爆笑でした。その後、ドラマの第8話の冒頭シーン、家族集まっての朝食の席で、緒形さんがアドリブで「今夜のおかずは、さぁ、ビーフストロガノフにしよう」と言って、娘たちはまたまた(素で)大爆笑でした。

そんなアットホームなドラマを支えていたのが脚本の遠藤察男さん。構成作家としても活躍していて(最近では矢島美容室の「ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ-」の作詞を担当)、そのバラエティ的要素がドラマに上手く活用されていました。緒形さんの愛人・姫子(渡辺えり子〔現・渡辺えり〕さん)が緒形さんの心を留めておくためにクイズを出して(ホワイトボードか何かに図まで書いたりして)、次回、姫子宅に緒形さんが来る時に答えを発表するというアイデアはなかなか面白かったです(クイズの内容は当時人気だったフジテレビのクイズ番組『たけし・逸見の平成教育委員会』を参考にしたと思われる)。余談ですが、辛島美登里さんの主題歌「あなたは知らない」はこの姫子の心情を描写したものだったのでしょうね。「好きだと言えない距離が切ない」は秀逸なフレーズです。

さて、遠藤さんの上司的な存在が秋元康さん。この時期、秋元さんは企画とかブレインスタッフとかいう肩書きでTBSドラマの制作にいくつか関与していました。この『愛はどうだ』もそうで、他には『クリスマス・イヴ』(1990年)、『あしたがあるから』(1991年)。そういえば翌年には緒形さん主演、遠藤察男脚本、秋元康企画のトリオが日本テレビの『ポケベルが鳴らなくて』でまた実現しています。このドラマは裕木奈江さんが色々な意味で脚光を浴びた印象の方が大きいですが。

それから、3人娘の中で私が一番気に入っていたさなえ(渋谷琴乃さん)はこのドラマの少し後、秋元康さんプロデュースで歌手デビューを果たしました。琴乃さんはその後、あまり大きな役には恵まれていませんが、結婚後も子育てをしながらドラマや舞台に活躍しています。琴乃さんのブログでも緒形さんが亡くなった2008年10月には追悼文を寄せていました。

この時期の金曜日のTBSドラマの特徴がもう一つあり、それはスタッフ・キャストのクレジットはエンディングに、その主題歌はバラード曲、そしてタイトルバックには各回のシーンをスローで流す、という組み合わせです。具体的には以下の作品で使用されていました。

  • 『想い出にかわるまで』(1990年、脚本・内館牧子、奥村俊雄)主題歌「IF WE HOLD ON TOGETHER」(ダイアナ・ロス)
  • 『クリスマス・イヴ』(1990年、脚本・内館牧子)主題歌「サイレント・イヴ」(辛島美登里)
  • 『あしたがあるから』(1991年、脚本・内館牧子)主題歌「PIECE OF MY WISH」(今井美樹)
  • 『徹底的に愛は…』(1993年、脚本・大石静)主題歌「今を抱きしめて」(NOA〔ノア〕→このドラマ主演の仙道敦子と吉田栄作による限定ユニット。プロデューサーはYOSHIKI)
  • 『硝子のかけらたち』(1996年、脚本・遠藤察男)主題歌「Another Orion」(藤井フミヤ)

※『クリスマス・イヴ』のみ金曜9時枠、他は金曜10時枠の「金曜ドラマ」です。
2009年7月20日現在、Wikipediaでは『クリスマス・イブ』と、「ヴ」が「ブ」に間違っています。訂正しようかと思いましたが、手続きが面倒なようなのでしていません。どなたかお願いします。

美しいバラードにスローなタイトルバックを見せられると、何だか5割増しくらいで良いドラマに思えてくるんですよ。そのタイトルバックには、「何で今回のエピソードの中でこのシーンを選んだんだ?」ってことも時々あったのですが。それにしても脚本の内館牧子さん率が高い! それと仙道敦子さんの出演率も高い!

また、『愛はどうだ』では、他にも、この半年前に同じ金曜ドラマ『あしたがあるから』に出演して役者として知名度を上げた福山雅治さんが緒形さんの部下役、そしてかなえ(つみきさん)と結婚することになる若者役を好演したとともに、挿入歌「Good night」で歌手としても知名度を上げたことも銘記すべきですね。

それと、常盤貴子さんが緒形さんの会社のOL役で出演していましたが、連続ドラマのデビュー作であることも記憶しておくべきでしょう。そういった意味で、まだ実現していないと思われるDVD化(ブルーレイ化?)が強く待ち望まれますね。

『愛はどうだ』の最終話の親子での缶けりのエピソードは、緒形さんの味がよく出ていて泣けてきます。もう一度見直したいな~。

 

【補記】

その後、2012年1月に待望のDVD化が実現しました。
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