どらま!ドラマ!DRAMA! 2nd Season

~日本のドラマ・映画、俳優・女優やシナリオライター(脚本家)などを徹底解剖~

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振り返れば奴がいる(1993年1月13日~3月24日)を振り返る

      2015/07/17

織田裕二(=司馬)、石黒賢(=石川)主演の偉大なる伝説のドラマです。この二人が、キスするんじゃないかと思えるくらい顔を近づけて怒鳴りあうシーンは強烈でした。特に織田さんの悪役は秀逸でしたね。

最近でもこのドラマの主題歌、CHAGE & ASKAの『YAH YAH YAH』がキリンビール『淡麗ダブル』のCMソングになったりして、再考したくなってしまいました。あの頃も、今も、盛り上がれる曲の上位ですね。ただ、中間部分の「首にかかった~♪」の辺りは素人には再現が難しいですが。

また、このドラマが今でも色あせていないのは、2ちゃんねるのスレッドを見ても分かります。純粋に(?)ドラマについて語り合うスレッドが2009年3月現在、パート15。そしてこのドラマの台詞のみで(例外もあるけど)レスを進めていくことを目的にしているスレッド「振り返れば奴いるの台詞だけで会話するスレ」はパート17です。

この二つのうちで興味深いのはやはり後者の方。一説ではたった4、5人で回しているそうですが、その時代時代の時事ネタを上手に台詞に重ね合わせているのです。単純に「僕は認めない」(石川先生)、「わざとなんだよ、それがさ。」(司馬先生)といった感じでそのままの台詞を合いの手として当てはめることもあれば、「あんな乱暴なオペは初めて見ました。でも、技術は最高でした。」(石川先生)の“オペ”の部分を何かに変えて、当てはめることもあります。台詞を知っている人間としては、笑ってはいけないけど笑える設定が盛りだくさんです。

それにしても、今更ネタバレを気にする必要はあまりないかもしれませんが、ラストシーンは衝撃でしたね。振り返って、後ろにいた奴が、“あの人”だったなんて……。このシーンは三谷幸喜さんのシナリオには無かったそうで、演出家か織田さんが発案したというのが定説です。

この他にも、三谷さんは勝手にシナリオが変更されるのが嫌で、その時の経験を元に映画『ラヂオの時間』(1997年)を考えたそうですが、私が持っている映人社の月刊誌『ドラマ』(1993年3月号)に載っている第1話~3話までのシナリオを読むと、確かに変更はあるけど、良い変更に思えます、結果論かもしれませんが。逆に最近の三谷さんの作品は、大物になってしまったがゆえに、また自身が監督をするようになったがゆえに、周りが口を挟めない雰囲気になって、少なくとも私には“笑い”の意味だけでなく、面白く感じられない部分があるような気がします。例えば『ザ・マジックアワー』(2008年)……。

さて、このドラマではライバル関係だった織田さんと石黒さんですが、映画『ホワイトアウト』(2000年)、ドラマ『真夜中の雨』(2002年)の共演からも分かるように親友だそうです。関係としてはどうしても主演の織田さんが石黒さんを指名した、といった構図になっちゃうのでしょうが。この2作は残念ながら見ていないのですが、微笑ましい共演だったのではないでしょうか。

もう一つの、重要で複雑な関係だった、司馬(織田さん)と大学時代からの恩師、中川先生(鹿賀丈史さん)は、このドラマからすぐ後に公開された映画『卒業旅行 ニホンから来ました』(1993年)で共演しています。矢島美容室の『ニホンノミカタ ~ネバダカラキマシタ~』はこのタイトルを参考にしている!? この映画では、織田さんは『振り返れば奴がいる』とは別の意味でキレていたのですが、現場では若さゆえにワガママで監督を困らせていたとか……。真相は分かりませんけど。

この鹿賀さんも中川先生を見事に演じていたのですが、『振り返れば―』から10年後のTBSのドラマ『ブラックジャックによろしく』で再び医師を演じた際、小林すすむさん演じる「石川先生」を呼んでいたのを聞いた時、「石川先生……!」と懐かしく思ったものです。

【2009年3月14日 追記】

2ちゃんねるのスレッド「振り返れば奴いるの台詞だけで会話するスレ」のスレッドタイトルが、2009/03/13(金) 01:44:52開始のパート18で、ようやく「振り返れば奴がいる―」というように、“が”を入れて正しい表記になりました!

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